寒くなると、夏の間離れ離れで寝ていたネコがくっつきはじめます。主にゴンとみかんが。
静かな時は、まるで道祖神のように寄り添い、“このー!にくいにくい!”って思うくらい
ですが、何かの拍子にケンカに。今まではゴンの勝率が圧倒的に高かったのですが、最近
みかんが勝つことも。がんばれ、みかん。ネコベッドを死守するのだ!
「ちょっと、その脚邪魔なんだけど!」
「その脚って、どの脚かにゃ?」
「あたしの上にどかんと乗っている脚にきまってるじゃないのっ!」
「わざとじゃないにゃ。ほかに脚のおきばがないにゃ」
「とにかく、重いからどけてよ」
「なにを?」
「」
「言ってもわからないやつはーーーー!」
「痛いにゃ!」
「こうしてやる!こうしてやる!」
「痛いにゃー!」
「あんた、顔を押さえられると何もできないもんね」
「痛いにゃーーーー!」
「わかったか!わかったか!わかったかー!?」
「痛いにゃーーーーーーーー!」
「どう?わかった?早く脚をどけるのよ!」
「痛いからその手をどけろにゃ」
「脚をどけたら手もどけるわよ」
「痛いにゃ」
「早く脚をどけなさいよ]
「痛いにゃ」
「どけろどけろどけろ(ぐいぐいぐい!」
「痛いにゃ痛いにゃ痛いにゃ」
「このひとって・・・ばか? 兄だからそうは思いたくないんだけど。でもねぇ。この脚がねぇ。
どう見たってあたしのナイスバディを踏みつけにしていると思うんだけど。何度言ってもわから
ないなんて・・・このひとって・・・あたしだってね、ほら、このひとだって一応兄なわけだし、
小さいころはずいぶんと世話になっているからね、ほら、いつも遠慮しているわけよね。でもね、
このひとって、あたしが遠慮がちなことにちっとも気付かないのよね。鈍感なのよね。結局。まあ
世の中の男どもは多かれ少なかれそういう傾向があるって、この間すみごんとも話たんだけどね、
でも、このひとの場合その鈍感さが“おっとり、のんびり”なんて言われちゃってるでしょ?だもん
だから、余計にのほほんとしちゃって。困ったもんだわ・・・」
「なんだとにゃ!ばかだとにゃ!」
「あら、聞こえてたの?だって、ばかだもん」
「兄にむかってばかだとにゃ!おこったにゃ!」
「なによ、やる気!?」
「おう!じょうとうだにゃっ!」
「ばかばかばかー!」
「でぶでぶでぶー!」
ボカスカ、ボカスカ、ボカスカ、スカッ! ボカスカ・・・
「えい!えい!ネコバーーーンチ!」
「こんにゃろめー!ネコキーーーック!」
「あんたなんか、床でびろーんしてろー!」
「おまえなんか、おまえなんか、おまえなんかー」
「あんたなんか、脱走して迷子になっちゃえー!」
「おまえなんか、おまえなんか、おまえなんかー」
「あんたなんか、寒い廊下で猫戦車でもしてろー!」
「おまえなんか、おまえなんか、おまえなんかー」
「パーーーーンチ!」
「キーーーーック!」
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