はっきりと変化するわけではないのだが、少しずつではあるが確実に変化する姿が見たくて目が離せない粉粧楼。今日も昨日より少し花が開いたようで中心に向かって濃くなっていく紅のグラデーションがなんとも繊細で、どこか色っぽい。グラデーションが美しい薔薇はけっこうあるが、これほどニュアンスのあるグラデーションは珍しいのではないかと思う。
たとえば、ツル薔薇の人気者「ピエール・ド・ロンサール」、切り花でも苗でもひっぱりだこの「ミミエデン」なども白からピンクへのグラデーションがきれいな花だ。だが、個人的な好みからすると粉粧楼の方に軍配をあげる。中国美人の方はぐっと地味ではあるが。先日、偶然近所でピエールさんが満開になっている庭をみつけて、わざわざ近くまで行ってみた。大輪の花がたくさん咲いて実に見事なのだが、あの花は近くで見るよりも遠目で見るほうが好きかな。
ミミエデンさんは、花だけ見るとかわいらしい感じだが、苗の写真などを見るとけっこう逞しいというか野太い感じがする。楚々とした風情が好みなのでちょっと守備範囲からははずれる花だ。まあ、これはあくまでも個人的な好みであって、両者が人気者である理由はわかるような気がしている。庭に植えればよく映えるしね。粉粧楼は鉢植えにして間近でじっくり鑑賞するのがよろし。
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