条件で劣る北側だが、いいところもある。明るい日陰状態なので特に紫色の薔薇がきれいに見えるというところ。他の場所でもいつも思うのだが、深みのある色合いの花は日が陰っている時の方がきれいだ。日照が少なくても育つ薔薇を選べば、十分楽しめる。
●カーディナル・ド・リシュリュー
正直言ってこんなにきれいな花だとは思わなかった。それほどこの花の色を写真で出すのは難しい。深い色というのはこういう色なんだ!と思わせてくれる。ほとんど葉のない状態(冬苗)で手に入れたので、この花を見た時は感慨ひとしおだった。あまり大きくならず節間が詰まった感じで、つぼみもコロンの小さくかわいい。つぼみのうちはクリムゾンレッドなのだが、開花すると美しい紫色。
その紫はやがてグレーを帯びたなんともいえない色に退色し、はらりと散る。花持ちはよくないし一季咲きなので花を楽しめる時間は短い。しかし、それでいい、その方がこの薔薇には似合うと思う。最後の花がピンク色だったのにはちょっと驚いたが、「じゃ、また来年お会いしよう!」とかわいい花で別れを告げるなんて、リシュリュー卿はなかなかの洒落者と見た。
●ファイルヒェンブラウ(ブルーランブラー)
舌を噛みそうな名前のこの薔薇も、きれいな紫色を楽しませてくれた。こちらは花びらの数が少なく軽快な感じだが、その分花付きがよく一斉に花を咲かせる。庭に一株あるととても見ごたえがある薔薇だと思う。本来であればベランダはかわいそうなのだが、花の魅力につられて・・・名前の意味はドイツ語で「すみれ色」だということだが、本当にすみれ色。赤みのある紫色で、それがだんだん青味を帯びグレーが交じり落ち着いた色になって終わる。これも一季咲きですでに今年の花は終わった。現在南側で陽射しを浴びて来年の体力づくり中?
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